2023/06/23
05:00:15
兄と妹の思い出。
加奈子と7歳年上の兄、俊介は仲が良い。
その日は加奈子が12歳、兄が19歳になったばかりの時であった。
その日、加奈子は兄に文句を言っていた。
兄は全部、真剣に真面目にうんうん、と聞いていた。
俊介は人の話を、例え人がとても怒っていても最後まできっちり聞く。
うんうん、と彼は聞いていた。
が、加奈子はまた気付いた。
兄のパンツの中から、玉が出ていたのである。
普通なら「玉出てるよ」と指摘出来るが、
その時はとても殺伐とした雰囲気で、シリアスな場面であったので、
間違ってもそんなことは言えない。
そして文句を言っているのだがら、そんな状態で「玉見せないでよ!」
なんて言ったら「何ふざけているんだ」とか「怒りすぎだろう」と相手は思ってしまう。
文句を言っている時にそんなことを言うのは、
とにかく相手にダメージを与えたい時であろう。普通は。
普通はそうだ。
しかし事実本当に困っていることで
特に怒りが暴走したがゆえの追撃などではないのだ。
・・・そんなことがもう2年くらい続いているのである。
とうとう、加奈子は言ってしまった。玉見せないでと
案の定、「ハァ?怒りすぎだろう」という顔をする兄だ。
真剣な場で、何故そんなことを言う、と。
少し怒りすぎなのではないか、と。
少し呆れた顔をした。
加奈子はその反応になるのをもちろん分かっていたので、
心の中で大きなため息をついた。
少し経ち、加奈子は白状した。
丁寧に説明をした。
自分が怒ってる時に限って玉が見えてると。
たまたま、少し見えていたのではなく、
あからさまにじっとこっちを見ているくらいの勢いで、
顔が見えていて、
「何かお困りですか?」と言っているようであった、
そんな感じだったと。
兄はものすごくびっくりしていた。
全然知らなかった、どうして指摘してくれなかったのか、と加奈子に言ったが、
「そんなこと失礼だからとても言えなかった」
「時に殺伐としていない場で言おうと思ったが、その時は忘れてしまう」
などと答えた。
「・・・2年間も我慢させていたなんて。
ただの莫迦じゃん私」
兄はパンツを下ろし、玉たちを見ていた。
利き腕というものがある。
右利き、左利き、とかそういうものだ。
目、とか鼻とか脚とか・・・
或いは内臓で言えば肺とか。
人間は「ふたつの同じものが並んで出来ている」という部分が多い。
男性は女性と違い、玉がふたつあるが、
そこにも同様に「利き玉」というものがある。
右利きならたいていは右側が利き玉だ。
水平に立った状態で、少し下に下がっている方が利き玉である。
利き玉側(兄から見て右)が見ていたのかとかどうでもいいことを気にする兄だったが、
こんなことがもうないように、と違う下着を買ってくることになった。
加奈子はてっきり、膝まである、長い下着を買ってくるのかと思ったが、
ピッチリした下着を買ってきていて、
ああ、それだけ申し訳ないと思ったのだなぁと思いつつも
「それだと兄弟たち(メイン玉とサブ玉)の形がくっきり出てしまって、
みっともない」
と文句を言う彼女。
数年後ー・・・
彼女はそのことをぼんやりと思い出し、インターネットの日記に書き込もうと思った。
あの時、何て言っていただろう。
「何かお困りですか?」
だっただろうか?
もしかして「あの、、もう少し抑え気味に話してください」と
ご主人をかばっていたのかもしれない。
或いは「これは、聞いた方がいいのかね?」と文豪風に言っていたのかも・・・
そんなことを書く妹。
日本は今日も平和である。
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加奈子と7歳年上の兄、俊介は仲が良い。
その日は加奈子が12歳、兄が19歳になったばかりの時であった。
その日、加奈子は兄に文句を言っていた。
兄は全部、真剣に真面目にうんうん、と聞いていた。
俊介は人の話を、例え人がとても怒っていても最後まできっちり聞く。
うんうん、と彼は聞いていた。
が、加奈子はまた気付いた。
兄のパンツの中から、玉が出ていたのである。
普通なら「玉出てるよ」と指摘出来るが、
その時はとても殺伐とした雰囲気で、シリアスな場面であったので、
間違ってもそんなことは言えない。
そして文句を言っているのだがら、そんな状態で「玉見せないでよ!」
なんて言ったら「何ふざけているんだ」とか「怒りすぎだろう」と相手は思ってしまう。
文句を言っている時にそんなことを言うのは、
とにかく相手にダメージを与えたい時であろう。普通は。
普通はそうだ。
しかし事実本当に困っていることで
特に怒りが暴走したがゆえの追撃などではないのだ。
・・・そんなことがもう2年くらい続いているのである。
とうとう、加奈子は言ってしまった。玉見せないでと
案の定、「ハァ?怒りすぎだろう」という顔をする兄だ。
真剣な場で、何故そんなことを言う、と。
少し怒りすぎなのではないか、と。
少し呆れた顔をした。
加奈子はその反応になるのをもちろん分かっていたので、
心の中で大きなため息をついた。
少し経ち、加奈子は白状した。
丁寧に説明をした。
自分が怒ってる時に限って玉が見えてると。
たまたま、少し見えていたのではなく、
あからさまにじっとこっちを見ているくらいの勢いで、
顔が見えていて、
「何かお困りですか?」と言っているようであった、
そんな感じだったと。
兄はものすごくびっくりしていた。
全然知らなかった、どうして指摘してくれなかったのか、と加奈子に言ったが、
「そんなこと失礼だからとても言えなかった」
「時に殺伐としていない場で言おうと思ったが、その時は忘れてしまう」
などと答えた。
「・・・2年間も我慢させていたなんて。
ただの莫迦じゃん私」
兄はパンツを下ろし、玉たちを見ていた。
利き腕というものがある。
右利き、左利き、とかそういうものだ。
目、とか鼻とか脚とか・・・
或いは内臓で言えば肺とか。
人間は「ふたつの同じものが並んで出来ている」という部分が多い。
男性は女性と違い、玉がふたつあるが、
そこにも同様に「利き玉」というものがある。
右利きならたいていは右側が利き玉だ。
水平に立った状態で、少し下に下がっている方が利き玉である。
利き玉側(兄から見て右)が見ていたのかとかどうでもいいことを気にする兄だったが、
こんなことがもうないように、と違う下着を買ってくることになった。
加奈子はてっきり、膝まである、長い下着を買ってくるのかと思ったが、
ピッチリした下着を買ってきていて、
ああ、それだけ申し訳ないと思ったのだなぁと思いつつも
「それだと兄弟たち(メイン玉とサブ玉)の形がくっきり出てしまって、
みっともない」
と文句を言う彼女。
数年後ー・・・
彼女はそのことをぼんやりと思い出し、インターネットの日記に書き込もうと思った。
あの時、何て言っていただろう。
「何かお困りですか?」
だっただろうか?
もしかして「あの、、もう少し抑え気味に話してください」と
ご主人をかばっていたのかもしれない。
或いは「これは、聞いた方がいいのかね?」と文豪風に言っていたのかも・・・
そんなことを書く妹。
日本は今日も平和である。
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2022/10/10
21:40:01
小さな世界 > 第aaa章「bbb」
煌びやかな廊下。
そこをひとりの女性が歩いていた。
すたすたすた
もう、足が痛くない。
ヒール高いのはいても大丈夫になったんだ、とその女性は思う。
すたすたすた
・・・
・・・
或る、大きな扉の前に立つと、目を閉じて念?のようなものを飛ばす女性。
至るところにいる召し使いや警備員は何故か、ある部屋の一室で全員眠っていた。
「入れ」
扉の向こう側にいる人間が、マイクを通してしゃべった。
中は心地良い温度になっていて、女性はふっと息をもらした。
「やはりおまえさんか」
大きな天蓋ベッドに腰掛け、真っ白いひげをたんまりとたくわえた小さな老人が言った。
3人ほどの召し使い(看護師)がいたが、「おまえら席をはずせ」と言って彼女らを退室させた。
3人は手馴れている様子で、落ち着いて静かに去って行った。
「おまえさんは見るたびに大人になっていくな」
老人は言う。
「刺叉(らーちゃ)」
女性「もう歳ですから」
老人「何言っとんじゃい。生意気な」
老人は呑んじゃいけないであろう、強いお酒をトクトク注ぎ、グッと呑んだ。
「で?今度は何だ 世界破滅でも?」
少し下を向く女性。
「日本を、滅ぼして下さい。経済を圧迫して下さい。
出来れば・・・破滅に追い込んで・・・」
女性はそこまで言って口を開けたまま言葉を止めた。
・・・
「おまえさんの力ならすぐじゃろう。
何故私の力を」
老人は聞く。
女性「私は、我慢出来ずにすぐに滅ぼしちゃうんです。
じわじわ出来ない。だから・・・」
まぁ、ピーチジュースでもいかがかな。
アルコールも入ってるよ。
老人はベッドの後ろにある冷蔵庫から色々取り出していた。
刺叉と呼ばれる女性は、「(よくそんな体力があるな)」と
思ったが、自分がここにいるから、それで影響があるのかと理解した。
老人「何でもかんでも滅ぼすのは感心せんな。
おまえさんらしくもない」
老人はピーチハイ?を差し出す。
老人はすっかり弱っているのだろう。
あちこちベッドを動き回っても、ギシッという音はほとんど聞こえない。
体を悪くしてすっかり体重が減ってしまったのだろう。
♪想走出你控制的领域 却走进你安排的战局
(あなたの呪縛から抜け出したいのに あなたの思惑通りに動かされてしまう)
ベッドから降り、老人がかくしゃくとしながらLDを掛けた。
「おまえさんの好きな王菲(うぉん ふぇい)の『棋士』
・・・わしもすっかり好きになってしまった」
曲が終わった時に女性は言った。
「日本が無くなれば、経済打撃が激しいですか?」
しばらくのやり取り。
・・・
・・・
<40分後>
「・・・いつも
おまえさんの慈愛で「何かの破壊」は差し止められてきた。
しかし今回は本当に無理なんだろうの」
老人はため息をついた。
女性「凌遅刑(りょうちけい)のお国なんですもの。
じわじわやるのはお得意でしょ?」
「時代錯誤もいいとこだ」
老人は悲しそうに、且つくたびれたように言った。
フンッ
刺叉と呼ばれる女性は耐えられない!と言わんばかりに鼻息を吐いた。
「武(うー)一族の長ともあろう人が、そんな弱虫だったなんて」
くるっ、と背を向けてドアを開けて去っていく女性。
・・・
「(・・・お主の呪縛から抜けようとして、わしはずっと努力してきた。
しかし・・・抜け出せなんだ)」
「(結局、お主の言う通りにするしかないんだろうな)」
-----------------------------------------------------
たまーに起こる、『一室で全員眠らされている現象』。
初めこそは超常現象?と驚いていた召し使い&警備員たちだったが・・・
その場の全員が経験しているし、頭がおかしくなった訳ではないらしい、、
ということで、
『全員が密かに経験する秘密の現象』、と皆は(多少は)慣れてしまった。
目覚めた時の、何とも言えない幸せな気分。
全員が不思議に思いつつ、いつもの挨拶のように
「お早う御座います」
と言い合った。
一方、・・・
老人は寂しげな背中を見せていた。3人の召し使いたちに。
▲ページトップへ
煌びやかな廊下。
そこをひとりの女性が歩いていた。
すたすたすた
もう、足が痛くない。
ヒール高いのはいても大丈夫になったんだ、とその女性は思う。
すたすたすた
・・・
・・・
或る、大きな扉の前に立つと、目を閉じて念?のようなものを飛ばす女性。
至るところにいる召し使いや警備員は何故か、ある部屋の一室で全員眠っていた。
「入れ」
扉の向こう側にいる人間が、マイクを通してしゃべった。
中は心地良い温度になっていて、女性はふっと息をもらした。
「やはりおまえさんか」
大きな天蓋ベッドに腰掛け、真っ白いひげをたんまりとたくわえた小さな老人が言った。
3人ほどの召し使い(看護師)がいたが、「おまえら席をはずせ」と言って彼女らを退室させた。
3人は手馴れている様子で、落ち着いて静かに去って行った。
「おまえさんは見るたびに大人になっていくな」
老人は言う。
「刺叉(らーちゃ)」
女性「もう歳ですから」
老人「何言っとんじゃい。生意気な」
老人は呑んじゃいけないであろう、強いお酒をトクトク注ぎ、グッと呑んだ。
「で?今度は何だ 世界破滅でも?」
少し下を向く女性。
「日本を、滅ぼして下さい。経済を圧迫して下さい。
出来れば・・・破滅に追い込んで・・・」
女性はそこまで言って口を開けたまま言葉を止めた。
・・・
「おまえさんの力ならすぐじゃろう。
何故私の力を」
老人は聞く。
女性「私は、我慢出来ずにすぐに滅ぼしちゃうんです。
じわじわ出来ない。だから・・・」
まぁ、ピーチジュースでもいかがかな。
アルコールも入ってるよ。
老人はベッドの後ろにある冷蔵庫から色々取り出していた。
刺叉と呼ばれる女性は、「(よくそんな体力があるな)」と
思ったが、自分がここにいるから、それで影響があるのかと理解した。
老人「何でもかんでも滅ぼすのは感心せんな。
おまえさんらしくもない」
老人はピーチハイ?を差し出す。
老人はすっかり弱っているのだろう。
あちこちベッドを動き回っても、ギシッという音はほとんど聞こえない。
体を悪くしてすっかり体重が減ってしまったのだろう。
♪想走出你控制的领域 却走进你安排的战局
(あなたの呪縛から抜け出したいのに あなたの思惑通りに動かされてしまう)
ベッドから降り、老人がかくしゃくとしながらLDを掛けた。
「おまえさんの好きな王菲(うぉん ふぇい)の『棋士』
・・・わしもすっかり好きになってしまった」
曲が終わった時に女性は言った。
「日本が無くなれば、経済打撃が激しいですか?」
しばらくのやり取り。
・・・
・・・
<40分後>
「・・・いつも
おまえさんの慈愛で「何かの破壊」は差し止められてきた。
しかし今回は本当に無理なんだろうの」
老人はため息をついた。
女性「凌遅刑(りょうちけい)のお国なんですもの。
じわじわやるのはお得意でしょ?」
「時代錯誤もいいとこだ」
老人は悲しそうに、且つくたびれたように言った。
フンッ
刺叉と呼ばれる女性は耐えられない!と言わんばかりに鼻息を吐いた。
「武(うー)一族の長ともあろう人が、そんな弱虫だったなんて」
くるっ、と背を向けてドアを開けて去っていく女性。
・・・
「(・・・お主の呪縛から抜けようとして、わしはずっと努力してきた。
しかし・・・抜け出せなんだ)」
「(結局、お主の言う通りにするしかないんだろうな)」
-----------------------------------------------------
たまーに起こる、『一室で全員眠らされている現象』。
初めこそは超常現象?と驚いていた召し使い&警備員たちだったが・・・
その場の全員が経験しているし、頭がおかしくなった訳ではないらしい、、
ということで、
『全員が密かに経験する秘密の現象』、と皆は(多少は)慣れてしまった。
目覚めた時の、何とも言えない幸せな気分。
全員が不思議に思いつつ、いつもの挨拶のように
「お早う御座います」
と言い合った。
一方、・・・
老人は寂しげな背中を見せていた。3人の召し使いたちに。
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2018/06/10
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